定番から穴場まで・鳥取市の観光スポット

鳥取城跡 観光
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日本海に面した鳥取県の県庁所在地・鳥取市は、鳥取砂丘に代表される自然豊かな街ですが、同時に上古の「因幡の白兎」伝説にはじまる歴史的資源にも恵まれています。鉄道や高速道路が整備されていることから京都・大阪・神戸といった大都市からも意外と近く、観光を楽しむにもベストな地域といえます。

鳥取城跡

鳥取城中仕切門
鳥取城跡は、鳥取市の市街地を見下ろす久松山に築造された平山城です。戦国時代、因幡守護の山名誠通が久松山に山城を築いたのがはじまりとされますが、異説もあります。

天正9年(1581)、毛利家の重臣・吉川経家らが籠城する鳥取城は、羽柴秀吉によって包囲され、4ヶ月にわたる壮絶な兵糧攻めの末、吉川経家の切腹と引き換えに降伏となったことで有名です。

江戸時代には鳥取32万石の城主となった池田光政らによって拡張整備され、現在のような規模になりましたが、明治時代の廃城令で建物は取り壊され、現在は天守台や石垣、復元された中仕切門などが残るのみとなっています。ただし、近年では大手門にあたる中ノ御門表門、渡櫓(わたりやぐら)門などが江戸時代の技法で続々と復元されており、これら鳥取城復元事業により、江戸幕末の姿を取り戻すことになっています。

鳥取城跡
■所在地:鳥取県鳥取市東町2
■電話番号:0857-30-8421(鳥取市文化財課)
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:鳥取自動車道・山陰自動車道「鳥取インターチェンジ」から車で10分/JR山陰本線・因美線「鳥取駅」から100円循環バスくる梨(緑コース)10分、「仁風閣・県立博物館」下車
■駐車場:無料(市道路肩の「鳥取城跡お堀端駐車枠」、土・日に限り無料開放の「県庁駐車場」を利用)

鳥取砂丘

鳥取砂丘
鳥取砂丘は、鳥取市の日本海側にある東西16キロメートルにも及ぶ砂丘地帯で、山陰海岸国立公園に指定されています。

標高47メートルの砂丘列「馬の背」などの数々の見どころがあり、ビジターセンターから徒歩で散策することができるほか、らくだライドや観光リフトで景観を楽しむことも可能です。

周辺には砂を題材にした彫刻を展示するユニークな美術館「鳥取砂丘砂の美術館」、アスレチック遊具などを親子で楽しめる「チュウブ鳥取砂丘こどもの国」、日本海の海鮮料理が味わえるドライブイン「砂丘会館」などもあります。

鳥取砂丘
■所在地:鳥取県鳥取市福部町湯山2164-971
■電話番号:0857-22-0021(鳥取砂丘ビジターセンター)
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:鳥取自動車道・山陰自動車道「鳥取インターチェンジ」から車で20分/JR山陰本線・因美線「鳥取駅」から日ノ丸バス鳥取砂丘線20分、「砂丘会館(鳥取砂丘)」下車
■駐車場:乗用車24時間500円

白兎神社

白兎神社
白兎(はくと)神社は、鳥取市白兎に鎮座する神社で、主祭神として白兎神を祀っています。

『古事記』にはワニ(サメ)を騙して海を渡ろうとしたところ、露見してワニに毛皮を剥がれて赤裸になった哀れな「因幡の白うさぎ」の伝説が載っています。このうさぎは八上姫に求婚をするため因幡にやってきた八十神に騙され、皮膚に海水を浴びてかえって傷ついてしまっていたところ、遅れてやってきた大国主命に治療方法を教えられて快癒したということです。

この伝説の「因幡の白うさぎ」が白兎神であるといわれており、大国主命により快癒したことから病気やけがを治すご利益が、そして大国主命と八上姫との縁を結んだことから恋愛成就のご利益が期待されています。

白兎神社の創建時期は不明ですが、伝説を裏打ちする古くからあった神社とみられており、中世の戦乱により焼失した後、慶長年間(1596~1615年)に鹿野城主の亀井茲矩(これのり)が夢のお告げを受けて社殿を再興したということです。現在の社殿は明治時代になってからの再建ですが、本殿の敷石には菊花紋を刻んだ「菊座石」が用いられていることから、かつては皇室との深い関係があったのではないかともいわれます。

境内に白うさぎの石像が並ぶ白兎神社は、現在では「恋人の聖地」に認定される縁結びスポットとして、多くの若者たちが訪れています。

白兎神社
■所在地:鳥取県鳥取市白兎603
■電話番号:0857-59-0047
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:山陰自動車道「鳥取西インターチェンジ」から車で20分/JR山陰本線・因美線「鳥取駅」から日ノ丸バス白兎海岸線40分、「白兎神社前」下車
■駐車場:無料(白兎神社前の「道の駅神話の里白うさぎ」駐車場を利用)

長田神社

長田神社
長田神社は、鳥取城跡に隣接して鎮座する神社で、事代主神、猿田彦神、誉田別尊、菅原道真命を祀っています。

創建時期は不明ですが、もと鳥取の産土神として久松山の南に創建されたもので、天文14年(1545)、山名誠通(のぶみち)が久松山に鳥取城を築城するにあたって城外に遷座したということです。江戸時代には鳥取藩主である池田家の崇敬社となりました。最終的に現在地に遷座したのは大正13年(1924)のことです。

本殿は江戸時代に建立され、その後現在地に移築されたもので、正面に唐破風を付けた入母屋造の建物です。幣拝殿などの他の建物とあわせて、国の登録有形文化財となっています。

長田神社
■所在地:鳥取県鳥取市東町1-103
■電話番号:0857-22-4608
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:鳥取自動車道・山陰自動車道「鳥取インターチェンジ」から車で20分/JR鳥取駅から100円循環バスくる梨(緑コース)10分、「市立武道館」下車、徒歩10分
■駐車場:無料

興禅寺

興禅寺
興禅寺は、禅宗のひとつである黄檗宗(おうばくしゅう)の寺院で、鳥取市栗谷町にあります。

鳥取藩初代藩主・池田光仲の院号「興禅院殿」から採って寺号としたもので、以後藩主である池田家の菩提寺として栄えました。仙台の大年寺、萩の東光寺とともに「黄檗宗三叢林」のひとつとされます。

赤色瓦が葺かれた本堂は、池田家の御霊屋として文化11年(1814)に建築されたもので、国の登録有形文化財となっています。

また、本堂裏手の墓地には渡辺数馬の墓があります。渡辺数馬は剣豪・荒木又右衛門の助太刀のもと、弟を殺害した河合又五郎を伊賀上野の鍵屋の辻で討ち取った「鍵屋の辻の決闘」の中心人物です。「鍵屋の辻の決闘」は、曽我兄弟の仇討ち、赤穂事件と並んで「日本三大仇討ち」のひとつとされています。

興禅寺
■所在地:鳥取県鳥取市栗谷町10
■電話番号:0857-22-5278
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:鳥取自動車道・山陰自動車道「鳥取インターチェンジ」から車で20分/JR山陰本線・因美線「鳥取駅」から100円循環バスくる梨(緑コース)10分、「市立武道館」下車、徒歩10分
■駐車場:無料

大雲院

大雲院
大雲院は、鳥取市立川町にある天台宗の寺院で、御本尊は阿弥陀如来です。

江戸時代の慶安3年(1650)、鳥取藩主・池田光仲は徳川家康を東照大権現として祀る東照宮を鳥取に勧請しましたが、あわせてその別当寺として開基されたのが大雲院です。当時は樗谿(おうちだに)と呼ばれた鳥取東照宮の隣にあり、東照宮の祭礼を司るとともに、将軍家歴代の位牌を安置して供養する役目を担っており、住職は慣例的に大僧都の地位に任じられるなど、高い格式を誇る寺院でした。

ところが、大雲院は明治時代の神仏分離政策によって東照宮の別当寺としての地位を失い、東照宮領500石も取り上げられてしまったことから、樗谿から末寺の霊光院があった場所に移されました。霊光院は民政に明るく異例の出世を遂げた鳥取藩士・米村所平が、夭折した息子の供養のため享保年間に建立した寺院です。このような経緯から、現在の大雲院は最盛時よりもかなり規模を縮小しています。

大雲院
■所在地:鳥取県鳥取市立川町4-24
■電話番号:0857-22-5608
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:鳥取自動車道・山陰自動車道「鳥取インターチェンジ」から車で15分/JR山陰本線・因美線「鳥取駅」から日ノ丸バス中河原線ほか10分、「立川大橋」下車、徒歩3分
■駐車場:無料

宇倍神社

宇倍神社
宇倍神社は、鳥取市国府町宮下にある式内社で、因幡国一宮です。大化4年(648)の創建と伝わっており、主祭神として武内宿禰命を祀っています。

武内宿禰は、『古事記』や『日本書紀』にみられる伝説的な忠臣で、景行・成務・仲哀・応神・仁徳の5代の天皇と神功皇后に仕え、日本で最初の大臣になったとされています。『因幡国風土記』逸文によれば、仁徳天皇55年(367)、360余歳になっていた武内宿禰は因幡国に下向し、亀金岡に双履(くつ)を残してこつ然と姿を消したとされ、境内の本殿裏手には「双履石(そうりせき)」と呼ばれる2つの石があります。

宇倍神社は、祭神の武内宿禰が長命であったことから延命長寿の、また祭神とともに我が国で初めて紙幣の図柄に採用されたお金に縁がある神社であることから商売繁昌の御利益を求めて多くの参拝者が訪れます。

毎年4月21日に行われる例大祭では、赤い衣をまとい麒麟に似せた面長の獅子頭を被って舞う、めずらしい「麒麟獅子舞」が奉納されており、鳥取県指定の無形民俗文化財です。

宇倍神社
■所在地:鳥取県鳥取市国府町宮下651
■電話番号:0857-22-5025
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:鳥取自動車道・山陰自動車道「鳥取インターチェンジ」から車で15分/JR山陰本線・因美線「鳥取駅」から日ノ丸バス中河原線15分、「宮ノ下」下車
■駐車場:無料
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