かつての城下町を美嚢川が流れる金物の特産地・三木市の観光スポット

三木市 観光旅行
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兵庫県の東部に位置する三木市は、戦国時代には東播八郡を支配する別所氏の居城が置かれ、江戸時代には金物の特産地としても知られるようになりました。現在では市内に山陽自動車道が通り、政令指定都市の神戸市にも近く、ベッドタウンとして人気を集めています。

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三木城跡

三木城跡

「三木城跡」は、戦国時代に築造された平山城の跡で、美嚢川(みのうがわ)に面した高台にあります。文明15年(1483)、播磨守護・赤松政則は但馬守護・山名政豊との戦に大敗して堺に落ち延びますが、政則を助けて権力の座に復帰させたのが別所則治です。この功績により政則から東播磨八郡守護代の地位を認められた則治が、これらの地域を支配する拠点として明応元年(1492)に築いたといわれています。天正6年(1578)には三木城主・別所長治が織田信長から離反して籠城、壮絶な「三木合戦」の末、天正8年(1580)に開城しました。

三木城は一国一城令により元和3年(1617)に廃城となっているため、当時の建物は残されていませんが、本丸跡には城外への抜け穴だったともいわれる「かんかん井戸」と称する深さ25メートルの井戸や、別所長治の石像、「今はただ恨みもあらじ諸人の命に代はる我が身と思へば」の辞世の句碑があります。また、隣接する二の丸跡は「みき歴史資料館」や「堀光美術館」の敷地となっているほか、かつての広大な縄張りの多くの部分が既に宅地化されています。

三木城跡
■所在地:兵庫県三木市上の丸町5
■電話番号:0794-82-5060(みき歴史資料館)
■公式サイト:
■交通アクセス:神戸電鉄粟生線「三木上の丸駅」から徒歩10分/山陽自動車道「三木小野インターチェンジ」から車で10分
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別所長治公首塚

別所長治公首塚

「別所長治公首塚」は、三木城主・別所長治を祀る塚で、三木市の雲龍寺にあります。別所長治は中国攻めのため播磨国入りした羽柴秀吉と足掛け3年にわたる「三木合戦」を戦い、天正8年(1580)、城兵の命と引き換えにに自刃して果てました。「三木合戦」では籠城する別所勢に対して徹底した兵糧攻めが行われ、俗に「三木の干殺し」といわれます。

この塚は、自刃する別所長治から後事を託された雲龍寺7世住職の春泰禅師が、首実検後の首級をもらい受けて埋葬した場所だということです。首から上の病気を治すご利益があるともいわれており、昭和に入ってから塚の補修と照子夫人の合祀が行われ、現在は玉垣の内側に2基の五輪塔が建てられています。

別所長治公首塚
■所在地:兵庫県三木市上の丸町9-4
■電話番号:0794-82-0740(雲龍寺)
■公式サイト:
■交通アクセス:神戸電鉄粟生線「三木上の丸駅」から徒歩10分/山陽自動車道「三木小野インターチェンジ」から車で10分
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大宮八幡宮

大宮八幡宮

「大宮八幡宮」は、応神天皇を主祭神とする三木市の神社で、創建年代は不明ですが、孝徳天皇の時代には既に宮山の上に磐境(いわさか)があり、鳥羽天皇の天永2年(1111)に現在地に遷されたといわれています。別所氏代々の守護神として崇敬されてきましたが、天正8年(1580)に兵火で焼失し、天正13年(1585)に中川秀政が再建しました。

毎年10月に斎行される秋祭りは、姫路市松原八幡神社の「灘のけんか祭り」、加西市住吉神社の「北条節句祭」とともに「播州三大祭り」のひとつとされていて、各地区から集まった屋台が85段を駆け上って宮入りする勇壮な「石段登り」が見ものです。

大宮八幡宮
■所在地:兵庫県三木市本町2丁目19-1
■電話番号:0794-82-0401
■公式サイト:
■交通アクセス:神戸電鉄粟生線「三木駅」から徒歩10分/山陽自動車道「三木小野インターチェンジ」から車で10分
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旧玉置家住宅

旧玉置家住宅

「旧玉置家住宅」は、三木城下町の湯の山街道(有馬道)沿いに建つ、国登録有形文化財に指定される建物です。上州館林藩(今の群馬県)の飛び地の領地であった文政9年(1826)に建築されたもので、当時は今の銀行に当たる「切手会所」として使われていましたが、明治以降は玉置(たまおき)家の住宅となり、改装されて離れ座敷や渡り廊下が増築されました。

建物内の見学は無料で、曜日によってはボランティアガイドの説明を聞くことができます。また、いわゆる「古民家カフェ」として、コーヒー・紅茶や甘酒、ラムネなどが100円で楽しめるのも魅力で、離れ座敷の2階はのどかな美嚢川の風景が見渡せる絶好のスポットです。

旧玉置家住宅
■所在地:兵庫県三木市本町2丁目2-17
■電話番号:0794-83-8400(三木市観光協会)
■公式サイト:
■交通アクセス:神戸電鉄粟生線「三木上の丸駅」から徒歩10分/山陽自動車道「三木小野インターチェンジ」から車で10分
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三木市立金物資料館

三木市立金物資料館

「三木市立金物資料館」は、三木市の伝統産業である「三木金物」に関する資料を収集・保存・展示する目的で昭和51年(1976)に開館した市の施設です。およそ3500点に及ぶのこぎり・のみ・かんな・左官ごて・小刀などの大工道具その他の貴重な資料を収蔵しています。これら資料の一部はその価値が認められて国の登録有形民俗文化財にもなっています。

この資料館の隣接地には、三木金物版販売同業組合の呼びかけで昭和10年(1935)に創建された「金物神社」があり、天目一箇命(あめのまひとつのみこと)など金物にゆかりの神々を祀っています。境内の「古式鍛錬場」では、毎月定例の日曜日、烏帽子に白衣姿の鍛冶師たちがふいごを使って金物を鍛造する「金物古式鍛錬」の実演も行われ、12月の第1日曜日は「鞴まつり」となります。

三木市立金物資料館
■所在地:兵庫県三木市上の丸町5-43
■電話番号:0794-83-1780
■公式サイト:
■交通アクセス:神戸電鉄粟生線「三木上の丸駅」から徒歩10分/山陽自動車道「三木小野インターチェンジ」から車で10分
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本要寺

本要寺

「本要寺」は、三木城下町のうち湯の山街道(有馬道)、姫路道、明石道が分岐する要衝の地にある寺院です。山号を吉祥山といい、もとは天台宗の寺院でしたが、鎌倉時代に日蓮宗に改宗しました。この寺院は、「三木合戦」の際に羽柴秀吉が本陣を置き、別所長治の首実検をした場所としても知られています。

境内には、池田輝政が姫路52万石の藩主となるのにあわせて三木城主となった筆頭家老・伊木豊後守忠次の墓(宝篋印塔:ほうきょういんとう)や、城下町の免税特権を守るため羽柴秀吉の地子(税金)免除の制札を持ち出して江戸で老中に直訴した岡村源兵衛・大西与三右衛門の義民碑があります。

本要寺
■所在地:兵庫県三木市本町2丁目3-6
■電話番号:0794-82-0233
■公式サイト:
■交通アクセス:神戸電鉄粟生線「三木駅」から徒歩5分/山陽自動車道「三木小野インターチェンジ」から車で10分
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道の駅みき

道の駅みき

「道の駅みき」は、三木市を南北に縦断する国道175号(国道427号と重複指定)沿いにある道の駅です。敷地内には駐車場やトイレのほか、レストランや物販コーナー、金物展示館などがあり、「金物のまち三木」ならではの構成となっています。

1階のレストランでは、タコとナスを具材のメインにしたすき焼き風の郷土料理「鍛冶屋鍋」にヒントを得た「鍛冶屋鍋カレー」や「鍛冶屋鍋天丼」、三木市特産の酒米「山田錦」を活用した「山田錦味噌ラーメン」などのご当地グルメが楽しめます。2階の「金物展示館」では市内メーカーから集めた2万アイテムもの金物製品が展示・即売されており、一般的なホームセンターなどではお目にかかれないようなレアアイテムを購入することが可能です。

道の駅みき
■所在地:兵庫県三木市福井2426地先
■電話番号:0794-86-9500
■公式サイト:
■交通アクセス:神戸電鉄粟生線「恵比須駅」から神姫バス(三木ホースランドパーク・森林公園方面、土・日曜日のみ)乗車20分、「道の駅みき前」バス停下車/山陽自動車道「三木小野インターチェンジ」から車で5分
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