肱川の清流に面した小さな城下町・大洲市の観光スポット
四国の南予地方にある愛媛県大洲市は、かつて伊予大洲藩6万石の城下町として栄え、今も城下町のたたずまいを見せる町並みは「伊予の小京都」と評されています。市内には旧城下町をとりまくように肱川の清流が流れ、その豊かな景観美とあわせて多くの観光スポットが存在します。
大洲城
愛媛県大洲市の肱川沿いにそびえる「大洲城」は、鎌倉時代末期の元弘元年(1331)に伊予守護に補任され伊予宇都宮氏の祖となった宇都宮豊房が築城したといわれています。その後、江戸時代の初めに「築城の名手」とされる藤堂高虎が、近世城郭としての大規模な修築を行いました。
天守は明治時代に解体撤去されたものの、平成16年(2004)、当時と同じ四層四階の姿で国産材を用いて復元されました。また、江戸時代から残る南隅櫓などの櫓4棟は国重要文化財に指定されています。
■所在地:愛媛県大洲市大洲903
■電話番号:0893-24-1146
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:JR予讃線「伊予大洲駅」から市内循環バスぐるりんおおず乗車15分、「大洲城前」バス停下車/大洲道路「大洲肘南インターチェンジ」から車で5分
臥龍山荘
肱川に面して建てられた「臥龍山荘」は、貿易商の河内寅次郎が明治40年(1907)に完成させた山荘で、敷地面積はおよそ3千坪にも及びます。敷地内の臥龍院・不老庵・文庫の3棟が国重要文化財に指定されているほか、庭園を含む一帯も国名勝となっています。
この場所にはかつて藤堂家臣の渡辺勘兵衛の屋敷があったところで、大洲藩3代藩主・加藤泰恒はこの地の景観を愛し、龍の臥す姿に似ているとして「臥龍」と名付けたといわれます。
特に肱川の「臥龍淵」を見下ろす崖の上に懸造りで建てられた「不老庵」は、借景の肱川ともども大洲市を代表するすぐれた景観として親しまれています。
■所在地:愛媛県大洲市大洲411-2
■電話番号:0893-24-3759
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:JR予讃線「伊予大洲駅」から市内循環バスぐるりんおおず乗車10分、「あさもや前」バス停下車、徒歩5分/大洲道路「大洲肘南インターチェンジ」から車で5分
大洲神社
「大洲神社」は、大洲城の東に位置する神楽山に鎮座する神社で、大国主命と事代主命を祀ります。
鎌倉時代末期の元弘元年(1331)、大洲城を築城した宇都宮豊房が鎮守として下野国(栃木県)二荒山神社から勧請したものです。藩政時代にも加藤家をはじめ歴代の藩主から崇敬されました。
商売繁盛の御利益があるえびす様こと事代主命を祀ることから、毎年1月9日から11日までの期間には「十日えびす祭」が開催され、県内外から多くの参拝客が訪れます。恒例の真鯛が当たる餅まきの行事が人気です。
■所在地:愛媛県大洲市大洲神楽山417
■電話番号:0893-24-3683
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:JR予讃線「伊予大洲駅」から市内循環バスぐるりんおおず乗車10分、「あさもや前」バス停下車、徒歩5分/大洲道路「大洲肘南インターチェンジ」から車で5分
おおず赤煉瓦館
大洲市の市街地にある「おおず赤煉瓦館」は、明治34年(1901)、当時の「大洲商業銀行」の本店としてつくられた和洋折衷の建築物で、赤レンガの長手(長い面)と小口(短い面)を1段ずつ交互に積んだ「イギリス積み」が特徴で、屋根は和瓦で葺かれています。
肱川の船運や木蝋の製造などで栄えた当時のようすを伝える建物で、現在は地元作家による陶芸その他の工芸品を展示販売する場として、またギャラリーや休憩スペースとして活用されています。近くには昭和レトロのイメージを再現した雑貨屋や飲食店が並ぶ「ポコペン横丁」もあります。
■所在地: 愛媛県大洲市大洲60
■電話番号:0893-24-1281
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:JR予讃線「伊予大洲駅」から市内循環バスぐるりんおおず乗車10分、「あさもや前」バス停下車、徒歩5分/大洲道路「大洲肘南インターチェンジ」から車で5分
曹渓院
「曹渓院」は、江戸時代の元和元年(1617)、大洲藩初代藩主となった加藤貞泰が、加藤家の菩提寺として建立した臨済宗妙心寺派の寺院です。もともとは加藤貞泰が美濃国(岐阜県)黒野藩主だったころに父の菩提を弔うために創建した寺院で、その後米子・大洲と転封するたびに移転してきました。
境内には初代藩主の加藤貞泰をはじめとする歴代藩主の墓所が設けられており、大洲市の指定史跡とされています。市内にはこの寺院のほか、如法寺にも加藤家墓所があります。特に藩祖の加藤光泰を祀る霊廟は朱色に彩色されており、その功績を記す石製の厨子が納められています。
■所在地:愛媛県大洲市大洲1003
■電話番号:0893-24-3660
■交通アクセス:JR予讃線「伊予大洲駅」から市内循環バスぐるりんおおず乗車10分、「枡形」バス停下車、徒歩3分/大洲道路「大洲肘南インターチェンジ」から車で5分
中江藤樹邸跡(至徳堂)
「中江藤樹邸跡(至徳堂)」は、近江国(今の滋賀県)出身の陽明学者で、「近江聖人」と讃えられた中江藤樹の旧宅跡です。中江藤樹は少年時代に大洲藩初代藩主・加藤貞泰に従って大洲へ移住し、寛永11(1634)に大洲を離れて近江に戻りました。屋敷跡は県立大洲高等学校の敷地内にあり、「中江の水」と称する古井戸が残されています。
昭和14年(1939)には、中江藤樹の遺徳を偲び、旧宅になぞらえた「至徳堂」が建築されており、愛媛県の指定史跡となっています。
■所在地:愛媛県大洲市大洲737
■電話番号:0893-57-9993(大洲市文化振興課)
■交通アクセス:JR予讃線「伊予大洲駅」から伊予鉄南予バス(長浜~八幡浜港線)乗車5分、「鉄砲町」バス停下車、徒歩3分/大洲道路「大洲肘南インターチェンジ」から車で5分