山深き周山街道沿いにある陰陽師の里・おおい町名田庄の観光スポット

名田庄 観光旅行
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福井県大飯郡おおい町は、若狭湾から丹波高地の山並みにまで広がる、総面積200平方キロメートル超の自然豊かな自治体です。このうち、京都府との県境近くの周山街道沿いには名田庄(なたしょう)集落があり、中世には安倍晴明の流れを汲む土御門(つちみかど)家が戦火を逃れて移住し、暦法や陰陽道をこの地にもたらしました。

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土御門家墓所

土御門家墓所

「土御門家墓所」は、安倍(土御門)有宣(ありのぶ)・有春・有脩(ありなが)の安倍家3代にわたる墓所です。安倍家は平安時代の陰陽道(おんみょうどう)の大家として知られる安倍晴明の子孫の家系に当たり、代々にわたって朝廷から陰陽頭に任じられてきました。有宣の代からは家名として土御門を称しています。

有宣は応仁元年(1467)に起こった「応仁の乱」の戦火を逃れるため、長享2年(1488)、京都から土御門家の荘園があった若狭国名田庄に移住し、この地に天文・暦学や陰陽道をもたらしました。「土御門家墓所」は名田庄を取り囲む山の谷間にあり、有宣以下3代の菩提を弔う五輪塔や自然石の碑が並んでいます。

土御門家墓所
■所在地:福井県大飯郡おおい町納田終(のたおい)
■電話番号:0770-67-2876(暦会館)
■公式サイト:
■交通アクセス:JR小浜線「小浜駅」から大和交通バス(名田庄線)乗車40分、「白矢」バス停下車、徒歩5分/舞鶴若狭自動車道「大飯高浜インターチェンジ」から車で20分
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天社宮

天社宮

「天社宮」は、土御門家が伝えてきた土御門神道の本庁に当たり、神殿には泰山府君大神、鎮宅霊符尊神、安倍晴明霊神を祀っています。宇宙根源の神であり、「太一大神」とも呼ばれる泰山府君を祀る、日本で唯一の社とされます。

土御門家は陰陽道を代々にわたって受け継ぎ、江戸時代にも全国に散らばる民間の陰陽師を支配する権限が与えられていましたが、この時代には垂加神道の影響もあって、陰陽道から仏教的な要素を排して体系化した「土御門神道」あるいは「天社神道」が確立しました。

明治時代に太政官布告として「天社禁止令」が出され、陰陽道はいったん消滅しましたが、昭和21年(1946)に宗教法人として再興され、現在も星祭りなどの祭祀や授与所での暦や神札の頒布が行われています。

天社宮
■所在地:福井県大飯郡おおい町納田終129-9
■電話番号:0770-67-3210
■公式サイト:
■交通アクセス:JR小浜線「小浜駅」から大和交通バス(名田庄線)乗車40分、「白矢」バス停下車、徒歩3分/舞鶴若狭自動車道「大飯高浜インターチェンジ」から車で20分
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土御門家居城跡(天壇・泰山府君社跡)

天壇・泰山府君社跡

「土御門家居城跡」は、京都から下向した土御門有宣が築いた屋敷の跡であり、「天社宮」の裏手、扁額に「土御門総社」と書かれた鳥居奥の高台に位置します。土御門家は慶長6年(1601)、久脩(ひさなが)のとき再び京都に戻りました。現在は当時の建物はなく、広大な空き地が広がっています。

「泰山府君社跡」は、屋敷跡の一角に残る、泰山府君を祀っていた社の跡です。泰山府君はもともと中国の泰山(たいざん)の神であり、遣唐留学生の阿倍仲麻呂が吉備真備(きびのまきび)に御神体を託して日本に持ち込んだとされています。これが安倍家に伝わり、土御門有宣の名田庄移住とともにこの地で祀られるようになりました。明治41年(1908)に加茂神社に合祀され、現在は礎石のみが残ります。

同じく屋敷跡の南側にある「天壇」は、土御門家が祭祀に用いる神聖な場で、周囲に石垣をめぐらせた壇になっています。壇の周囲には北の玄武、東の青龍、南の朱雀、西の白虎からなる四神を象徴する黒・青・赤・白の鳥居があります。

土御門家居城跡(天壇・泰山府君社跡)
■所在地:福井県大飯郡おおい町納田終
■電話番号:0770-67-3210
■公式サイト:
■交通アクセス:JR小浜線「小浜駅」から大和交通バス(名田庄線)乗車40分、「白矢」バス停下車、徒歩5分/舞鶴若狭自動車道「大飯高浜インターチェンジ」から車で20分
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おおい町暦会館

暦会館

「おおい町暦会館」は、土御門史跡の歴史・文化についての知識を深めるとともに、暦や星と地域とのかかわりを広く紹介するため、平成4年(1992)に当時の名田庄村が開設した公の施設です。

全国的にも珍しい、暦や天文がテーマの資料館として、さまざまな資料を集めて展示しています。古代に時を計るのに用いられた漏刻(ろうこく)、天変地異に当たり陰陽師が朝廷の諮問に答えた勘文(かんもん)、中世から近世にかけての京暦や具注暦、江戸時代の天体観測に用いられた渾天儀(こんてんぎ)などがあります。

おおい町暦会館
■所在地:福井県大飯郡おおい町納田終111-7
■電話番号:0770-67-2876
■公式サイト:
■交通アクセス:JR小浜線「小浜駅」から大和交通バス(名田庄線)乗車45分、「ホテル流星館」バス停下車/舞鶴若狭自動車道「大飯高浜インターチェンジ」から車で20分
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道の駅名田庄

道の駅名田庄

「道の駅名田庄」は、国道162号の周山街道沿いにある道の駅です。かつて小浜市から山間部を通って京都市街まで抜けるこのルートは、若狭湾で獲れたサバなどの海産物を運ぶのに用いられたことから「鯖街道」とも呼ばれています。

この道の駅では、地元産の自然薯(じねんじょ)を使った「自然薯そば」、きゅうりや大根を醤油とみりんに漬け込んだ「名田庄漬」、青魚を塩漬けの上でさらに糠漬けにした「へしこ」などを販売しています。自然薯がほのかに香る名田庄ならではの「自然薯ジェラート」も人気です。

道の駅名田庄
■所在地:福井県大飯郡おおい町納田終109-4-1
■電話番号:0770-67-2255
■公式サイト:
■交通アクセス:JR小浜線「小浜駅」から大和交通バス(名田庄線)乗車45分、「ホテル流星館」バス停下車/舞鶴若狭自動車道「大飯高浜インターチェンジ」から車で20分
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「福おおい旅ドライブスタンプラリー」で特典をゲット

2025年9月1日(月)から11月30日(日)までの期間限定ですが、おおい町観光協会では、町内のおすすめスポットをめぐって獲得したスタンプの数により、抽選で「越前ガニ」「自然薯と自然薯そばセット」「シイタケセット」が当たる「福おおい旅ドライブスタンプラリー」を開催しています。

上記のほか、獲得したスタンプ3個でおおい町のゆるキャラ「うみりん」のノベルティグッズがもらえるクーポンの利用が可能になります。

名田庄地区では「おおい町暦会館」や「名田庄あきない館」がスタンプ設置スポットに含まれています。スマートフォンを使ったユーザー登録やエントリーのしかたなど、くわしいことは次のページをご覧ください。

福井県おおい町「福おおい旅」ドライブスタンプラリー
福井県おおい町のおすすめスポット15カ所を巡って、おおいの秋を満喫しよう!

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