五島灘に面し海外貿易の窓口として栄えた異国情緒あふれる長崎市の観光スポット

長崎市 観光旅行
この記事は約6分で読めます。

長崎県の県庁所在地である長崎市は、江戸時代に対外貿易の窓口となった「出島」をもつ港町であり、幕末の開港によりさらに異国情緒あふれる街並みが形成されました。第二次世界大戦時には原子爆弾の投下により甚大な被害を受けましたが、戦後は国際文化都市として発展を遂げています。

大浦天主堂

「大浦天主堂」は、ユネスコ世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産のひとつであり、国宝にも指定されている、国内現存最古のキリスト教会です。

江戸幕末の長崎開港にともない外国人居留地に滞在することになった人々のため、元治元年(1864)にフランス人司祭らによって創建されたもので、明治時代に大規模な改築が施され、正面の屋根に八角形の尖塔を掲げるレンガ造りのゴシック様式の建物となりました。

ここは250年にわたる長い禁教時代を生き抜いた浦上の潜伏キリシタンがプティジャン司祭に自らの信仰を告白した「信徒発見」の舞台としても知られています。

大浦天主堂
■所在地:長崎県長崎市南山手町5-3
■電話番号:095-823-2628
■公式サイト:
■開館時間:8時30分から18時まで(最終入館は30分前まで)
■拝観料金:大人1000円、中・高生400円、小学生300円
■交通アクセス:長崎自動車道「長崎インターチェンジ」からながさき出島道路経由、車で10分/JR西九州新幹線・長崎本線「長崎駅」から長崎バス(ダイヤランド車庫行き)乗車10分、「グラバー園」バス停下車、徒歩5分/長崎電気軌道5系統「大浦天主堂停留場」から徒歩5分

グラバー園


写真:https://glover-garden.jp/gallery/

「グラバー園」は、長崎港を見下ろす丘陵地にある、異国情緒あふれる観光施設です。坂本龍馬らを相手に武器や艦船を売却し、維新・倒幕に大きな影響を与えたスコットランド出身の貿易商人、トーマス・グラバーの邸宅をはじめとして、旧リンガー住宅、旧オルト住宅などの国重要文化財にも指定される貴重な洋風建築の数々が集められています。

園内には季節になるとバラやあじさいが見事に咲き誇り、「レトロ衣裳館」でドレスを借りて散策したり、ポートレートを撮影したりすることもできます。

グラバー園
■所在地:長崎県長崎市南山手町8-1
■電話番号:095-822-8223
■公式サイト:
■開館時間:8時から18時まで(最終入園は20分前まで。なお、季節により夜間開園あり。)
■拝観料金:一般620円、高校生310円、小・中学生180円
■交通アクセス:長崎自動車道「長崎インターチェンジ」からながさき出島道路経由、車で10分/JR西九州新幹線・長崎本線「長崎駅」から長崎バス(ダイヤランド車庫行き)乗車10分、「グラバー園」バス停下車、徒歩5分/長崎電気軌道(5系統)「大浦天主堂停留場」から徒歩5分

出島

「出島」は、江戸時代前期の寛永13年(1636)に造成された扇型の人工島で、現在は周辺の埋立てにより陸続きとなっています。当初、幕府はキリスト教の布教禁止と貿易統制を目的としてこの島にポルトガル人を隔離しましたが、造成の翌年に島原・天草地域のキリシタンを中心とする「島原の乱」が起こり、寛永16年(1641)のポルトガル人追放、寛永18年(1641)の平戸オランダ商館の出島移転を経て、いわゆる鎖国の完成を見ることになります。

このように江戸時代を通じて西欧との貴重な交流拠点となった「出島」には、戦後の復元整備事業により、カピタン部屋、乙名(おとな)部屋、石倉、旧出島神学校などの建物が復元され、かつての街並みを間近に体験することができます。

出島
■所在地:長崎県長崎市出島町6-1
■電話番号:095-821-7200
■公式サイト:
■開館時間:8時から21時まで(最終入場は20分前まで)
■拝観料金:大人520円、高校生200円、小・中学生100円
■交通アクセス:長崎自動車道「長崎インターチェンジ」からながさき出島道路経由、車で10分/JR西九州新幹線・長崎本線「長崎駅」から長崎バス(新地中華街行き)乗車10分、「出島」バス停下車、徒歩2分または長崎電気軌道(1系統)乗車5分、「出島停留場」下車、徒歩2分

平和公園

「平和公園」は、第二次世界大戦時に長崎市内に投下された原子爆弾の爆心地とその周辺18.5ヘクタールにまたがる都市公園で、世界の恒久平和を祈念して昭和25年(1950)に開設されました。

この公園には彫刻家の北村西望が制作した、高さ9.7メートルの「平和祈念像」が建てられているほか、爆心地から500メートル離れた場所で被爆した「浦上天主堂」の廃墟の一部が移設されています。また、国道206号西側部分は市民プールやラグビー・サッカー場、陸上競技場などのスポーツ施設の敷地として利用されています。

平和公園
■所在地:長崎県長崎市松山町9
■電話番号:095-829-1162
■公式サイト:
■交通アクセス:長崎自動車道「長崎インターチェンジ」からながさき出島道路経由、車で15分/JR西九州新幹線・長崎本線「長崎駅」から長崎バス(溝川行き)乗車10分、「平和公園」バス停下車または長崎電気軌道(1系統)乗車10分、「平和公園停留場」下車

眼鏡橋

「眼鏡橋」は、長崎市内を流れる中島川に架かる石造のアーチ橋です。寛永11年(1634)に興福寺の黙子如定(もくすにょじょう)が架橋したもので、国重要文化財に指定されています。東京都中央区の「日本橋」、岩国市の「錦帯橋」と並ぶ「日本三大名橋」のひとつでもあります。

「眼鏡橋」の橋詰には階段があり、中島川の水辺まで降りて散策できるようになっています。中島川の護岸の石垣にはハート型をした「ハートストーン」が埋め込まれており、恋愛成就のパワースポットとして人気があります。

眼鏡橋
■所在地:長崎県長崎市魚の町・諏訪町
■電話番号:095-829-1193(長崎市文化財課)
■公式サイト:
■交通アクセス:長崎自動車道「長崎インターチェンジ」からながさき出島道路経由、車で10分/JR西九州新幹線・長崎本線「長崎駅」からまちなか周遊バス乗車5分、「めがね橋」バス停下車、徒歩2分または長崎電気軌道(3系統)「市役所停留場」から徒歩5分

若宮稲荷神社

「若宮稲荷神社」は、江戸時代の延宝元年(1673年)、出来大工町の「乙名(おとな)」と呼ばれる地役人だった若杉喜三太が、自邸に祀っていた楠木正成の守護神とされる稲荷大神を移して社殿を造営したのがはじまりとされています。その後は歴代の長崎奉行からの崇敬を受けるとともに、坂本龍馬ら勤皇の志士たちもこぞって参拝したため、「勤皇稲荷」の別称があります。

毎年10月14・15日の例大祭では「竹ン芸」(たけんげい)が奉納されていますが、これはキツネに扮した若者たちが高さ10メートル以上もある竹の上に登って曲芸を披露するもので、長崎市の無形文化財に指定されています。

若宮稲荷神社
■所在地:長崎県長崎市伊良林町2-10-2
■電話番号:095-822-5270
■公式サイト:
■交通アクセス:長崎自動車道「長崎芒塚インターチェンジ」から車で15分/JR西九州新幹線・長崎本線「長崎駅」から長崎県営バス(東高行き)乗車3分、「諏訪神社前」バス停下車、徒歩10分または長崎電気軌道(3系統)乗車10分、「新大工町停留場」下車、徒歩10分
モバイルバージョンを終了