光圀・斉昭を生んだ水戸藩の城下町・水戸市

水戸駅

2024年3月19日観光

茨城県の県庁所在地である水戸市は、江戸時代には水戸藩35万石の城下町でした。「徳川御三家」の1つである水戸徳川家からは、『大日本史』編纂に情熱を注いだ徳川光圀、藩校「弘道館」を設立した徳川斉昭などの名君を輩出しています。水戸市にはこうした歴史や文化を伝える数々の名所があります。

水戸市への交通アクセス

水戸市は、東京都心から北東へおよそ100キロメートルの距離にあります。

JR常磐線特急ひたち号で約1時間30分、車では首都高速6号向島線・三郷線、常磐自動車道を経由して約2時間です。
東京駅八重洲口から水戸駅南口までの高速バスみと号もあり、こちらも約2時間の道のりです。

仙台方面からは、鉄道であれば特急ひたち号で約3時間、車でも常磐自動車道経由で約3時間、250キロメートルの道のりとなります。

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偕楽園:日本三名園に数えられる梅の名所

偕楽園好文亭

「偕楽園(かいらくえん)」は、江戸時代の天保10年(1839)、水戸藩9代藩主・徳川斉昭によって造営された庭園です。金沢の「兼六園」、岡山の「後楽園」とともに「日本三名園」の1つとされています。

徳川斉昭は「偕楽園記」の中で「衆とともに楽しむ」の意味を込めて「偕楽園」と名付けたと書いており、実際に当時としては珍しく、大名自身や藩士のみならず、一般庶民にもこの園を開放していました。

偕楽園には約100品種、3000本の梅の樹が植えられており、春の魁として馥郁とした花を咲かせます。毎年2月から3月にかけて開催される「水戸の梅まつり」では、偕楽園も会場の1つとなり、全国から多くの観光客が訪れます。

偕楽園
■所在地:茨城県水戸市常磐町1丁目3-3
■電話番号:029-244-5454
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:常磐自動車道「水戸インターチェンジ」から車で20分/JR常磐線「偕楽園駅」(臨時)からすぐ
■入園料:大人320円、小人・70歳以上160円(ただし、本園以外は無料)
■開園時間:6:00-19:00(ただし、10月1日~2月中旬は7:00-18:00)
■駐車場:普通車500円
2024年(令和6年)10月1日に偕楽園の入園料は値上げされました。
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弘道館:徳川斉昭が開いた日本最大級の藩校

弘道館

「弘道館」は、天保12(1841)年に水戸藩9代藩主・徳川斉昭が開設した藩校で、当時は敷地面積10.5ヘクタールで日本最大級の規模を誇っていました。

徳川斉昭は藩主に就任後、さまざまな藩政改革を推進しましたが、藩校の開設による人材の養成と登用もその1つにあたります。
斉昭は碑文として記した「弘道館記」の中で、「文武不岐」をはじめとする建学の精神を示しており、儒学以外にも歴史や算学、天文学、医学、剣術、水泳などの多岐にわたる教育が行われていました。

現在、旧弘道館の敷地のうち3.4ヘクタールの区域が国の特別史跡に指定されているほか、敷地に残る正門や政庁、至善堂といった建物が国重要文化財となっています。

弘道館
■所在地:茨城県水戸市三の丸1丁目6-29
■電話番号:029-231-4725
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:常磐自動車道「水戸インターチェンジ」から車で20分/JR・鹿島臨海鉄道「水戸駅」から徒歩10分
■入館料:大人420円、小中学生・70歳以上210円
■開館時間:9:00-17:00(ただし、10月1日~2月19日の期間は9:00-16:30)
■駐車場:無料
2024年(令和6年)10月1日に弘道館の観覧料は値上げされました。
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千波湖:偕楽園の真下に広がる憩いの場

千波湖

「千波湖」は、水戸市の中心部にある湖で、偕楽園の真下に位置しています。かつては「千波沼」と呼ばれ、より広大な面積をもっていましたが、江戸時代の城下町の整備をはじめ、次第に埋め立てが進んで現在の姿になりました。

距離にして3キロメートルほどの湖の周囲には遊歩道が整備されており、散策やジョギングなどに人気なほか、ハクチョウの飛来地にもなっています。

千波湖
■所在地:茨城県水戸市千波町3080
■電話番号:029-244-2888(水戸市公園協会)
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:常磐自動車道「水戸インターチェンジ」から車で20分/JR常磐線「偕楽園駅」(臨時)から徒歩5分
■駐車場:無料
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常磐神社:水戸藩の義烈両公を祀る神社

常磐神社

常磐神社」は、偕楽園に隣接する神社で、近世の水戸藩を代表する藩主である2代・徳川光圀(義公)、9代・徳川斉昭(烈公)を祀っています。摂社として幕末の水戸藩の碩学である藤田東湖を祀る東湖神社もあります。

明治時代の初めに義公・烈公の徳を慕う人々が偕楽園内に祠堂を建てたのが由来ですが、その後明治7年(1874)に現在地に社殿が創建されました。

境内には「義烈館」があり、義烈両公の遺墨や水戸学関連の資料などを多数展示しています。

常磐神社
■所在地:茨城県水戸市常磐町1丁目3-1
■電話番号:029-221-0748
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:常磐自動車道「水戸インターチェンジ」から車で20分/JR常磐線「偕楽園駅」(臨時)からすぐ
■駐車場:普通車500円

水戸東照宮:水戸藩で創建した東照宮

水戸東照宮

水戸東照宮」は、元和7年(1621年)、水戸藩初代藩主・徳川頼房が父の徳川家康を祀るために創建した神社です。

徳川家康の遺骸を葬った久能山東照宮や日光東照宮のほか、江戸時代には地方の各藩でも東照宮を勧請する事例が相次ぎましたが、水戸東照宮はその中でも初期の事例にあたります。

当初は別当寺を置き仏式で祀られていましたが、9代藩主・徳川斉昭の社寺改革により神式に改められました。

境内には徳川斉昭がつくらせた「安神車」という日本最古の戦車が展示されています。これは四方を鉄板で囲んだ荷車のようなデザインで、中に人が入り牛に曳かせて利用する目論見でした。

水戸東照宮
■所在地:茨城県水戸市宮町2丁目5-13
■電話番号:029-221-3784
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:常磐自動車道「水戸インターチェンジ」から車で20分/JR・鹿島臨海鉄道「水戸駅」から徒歩5分
■駐車場:無料

茨城県立歴史館:県下の歴史資料が一堂に

茨城県立歴史館

偕楽園からほど近い「茨城県立歴史館」は、昭和49年(1974)に開館した県立の博物館です。

近世の水戸藩に関する資料をはじめとして、古代から近代・現代にわたる歴史資料や考古・民俗資料などを常設展示しています。

敷地内には明治時代の擬洋風建築である旧水海道小学校本館などが移築されており、内部を建学することも可能です。

茨城県立歴史館
■所在地:茨城県水戸市緑町2丁目1-15
■電話番号:029-225-4425
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:常磐自動車道「水戸インターチェンジ」から車で20分/JR・鹿島臨海鉄道「水戸駅」からバス10分、「歴史館偕楽園入口」下車
■駐車場:無料

吉田神社:ヤマトタケル伝説をもつ常陸国三宮

吉田神社

吉田神社」は、水戸駅の南東に鎮座する式内社、常陸国三宮です。

景行天皇のころ、「朝日山」と呼ばれたこの場所で東征から帰った日本武尊が兵を休ませたことから、後に日本武尊を祀る神社になったと伝えられます。貞観11年(869)の「新羅の入寇」の際には勅命により海賊撃退の祈祷をしたといい、古くから朝野の崇敬厚く、水戸藩第2代藩主・徳川光圀は社殿を造営しています。

境内は見晴らしがよく、水戸城下を一望に収めることができることから、「茨城百景」のひとつにも選定されています。

吉田神社
■所在地:茨城県水戸市宮内町3193-2
■電話番号:029-247-6464
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:北関東自動車道「水戸南インターチェンジ」から車で15分/JR・鹿島臨海鉄道「水戸駅」からバス10分、「吉田神社前」下車
■駐車場:無料
このページの編集者
Travelogues
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