信仰の山として栄えた大山の麓に広がる伊勢原市の観光スポット

観光

神奈川県伊勢原市は、厚木市や平塚市などと境界を接する県内でも中央部に位置する都市で、市内を新東名高速道路東名高速道路、小田原厚木道路が縦横に走り、これからの発展が期待されています。いっぽうで市のシンボルとして丹沢山系に属する大山を擁しており、古くから雨乞いなどのご利益で知られていました。近世には「大山詣で」が江戸の庶民の間に流行し、多くの人々でにぎわった場所でもあります。

大山阿夫利神社(おおやまあふりじんじゃ)


「大山阿夫利神社」は、崇神天皇の御代に創建されたと伝わる式内社です。大山の山腹に下社、山頂に本社が鎮座しており、大山祇大神(おおやまつみのおおかみ)、大雷神(おおいかづちのかみ)、高龗神(たかおかみのかみ)を祀ります。

大山の山頂からは縄文式土器が発見されるなど、古代から雨乞いや五穀豊穣の神として信仰されてきましたが、特に江戸時代に入ると関東地方の各地に「大山講」が結成され、「御師」と呼ばれる宗教者たちの案内に従って登拝する「大山詣で」が庶民の間で盛んになりました。

明治時代には神仏分離令により神社として独立し、昭和6年(1931)には山麓から一気に下社まで移動できるケーブルカーが敷設されたため、参拝にもたいへん便利になりました。

大山阿夫利神社
■所在地:神奈川県伊勢原市大山355(大山阿夫利神社社務局)
■電話番号:0463-95-2006
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:新東名高速道路「伊勢原大山インターチェンジ」から車で15分(市営大山第2駐車場まで)/小田急小田原線「伊勢原駅」から神奈川中央交通バス(大山ケーブル行き)乗車30分、「大山ケーブル」バス停下車の後徒歩15分、大山観光電鉄「大山ケーブル駅」から大山ケーブルカー乗車6分、「阿夫利神社駅」下車

大山寺(おおやまでら)


「大山寺」は、大山の中腹にある真言宗の寺院です。天平勝宝7年(755)、東大寺別当の良弁が不動明王像をみずから刻んで本尊に据え、聖武天皇の勅願寺として開創したと伝わっています。大山には古くから雨乞いの信仰がありましたが、これ以降は神仏習合の霊地として発展し、特に中世には幕府の庇護を受けて修験道が盛んになりました。

近世には庶民の「大山詣で」により山麓には多くの宿坊ができてにぎわいましたが、明治時代には廃仏毀釈の影響で不動堂が取り壊され、「大山阿夫利神社」の下社となりました。その後、大山中腹に再建されたのが現在の「大山寺」であり、廃仏毀釈の際にも破却を免れた、同寺中興の祖である願行上人が文永11年(1264)に鋳造した国重要文化財の不動明王像を本尊に祀ります。

大山寺
■所在地:神奈川県伊勢原市大山724
■電話番号:0463-95-2011
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:新東名高速道路「伊勢原大山インターチェンジ」から車で15分(市営大山第2駐車場まで)/小田急小田原線「伊勢原駅」から神奈川中央交通バス(大山ケーブル行き)乗車30分、「大山ケーブル」バス停下車の後徒歩15分、大山観光電鉄「大山ケーブル駅」から大山ケーブルカー乗車2分、「阿夫利神社駅」下車

比々多神社(ひびたじんじゃ)


比々多神社」は、大山山麓にある式内社で、相模国三宮でもあります。神武天皇6年(紀元前655)、大山を神体山として豊斟野尊(とよくもぬのみこと)を祀ったのがはじまりと伝えられています。境内や付近からはストーンサークルや古墳が発見されており、古くからの歴史があることがわかります。「鶉甕(うずらみか)」と称する須恵器と関東最古ともいわれる木彫りの狛犬が御神宝となっており、前者は神奈川県の、後者は伊勢崎市の重要文化財です。

毎年4月の例大祭は「三宮祭」と呼ばれ、加藤清正らをモチーフにしたからくり人形を据えた3台の山車が市内を巡行し、大いににぎわいます。

比々多神社
■所在地:神奈川県伊勢原市三ノ宮1472
■電話番号:0463-95-3237
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:新東名高速道路「伊勢原大山インターチェンジ」から車で5分/小田急小田原線「伊勢原駅」から神奈川中央交通バス(伊勢原車庫行き)乗車15分、「比々多神社」バス停下車
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