桜の名所弘前城と風情あふれる檀林街を歩く旅・弘前

弘前城追手門

2023年11月20日観光旅行

江戸時代に城下町として栄えた青森県弘前市には、今でも弘前城址をはじめとする名所旧跡の数々が残ります。弘前城は全国的にも名高い春の桜の名所として、多くの観光客でにぎわいを見せます。曹洞宗の三十三ヶ寺が集まる禅林街の風情も、城下町ならではの魅力にあふれています。

弘前城:現存天守をもつ桜の名所

弘前城天守

青森県弘前市にある「弘前城」は、東北地方で唯一の現存天守をもつ国指定重要文化財です。江戸時代の天守をもつ城そのものが全国的にも貴重で、彦根城や姫路城など12か所を残すに過ぎず、「現存十二天守」と総称されることがあります。

この「弘前城」は、弘前藩初代藩主・津軽為信とその子の2代藩主・信枚によって慶長16年(1611)に築城され、以後津軽藩の政庁が置かれた場所です。

寛永4年(1627)、落雷によりいったんは天守を焼失しましたが、文化7年(1810)、9代藩主・津軽寧親の時代に再建されました。その際、幕府を憚り「御三階櫓」と呼ばれていたとのことです。

当時、弘前藩では異国船出没に伴う蝦夷地警備のために膨大な犠牲を払っており、その功績により加増とともに天守再建も認められたものとみられています。ただし、出費がかさみ領民に重税を課したことから、文化10年(1813)には弘前藩最大の百姓一揆といわれる「民次郎一揆」が勃発しています。

かつての「弘前城」を中心とするエリアは、現在は「弘前公園」として整備され、「弘前さくらまつり」の舞台となる全国的に知られた桜の名所になりました。例年であれば4月23日から5月5日にかけて「弘前さくらまつり」が開催され、およそ2,500本もの桜が園内を彩ります。

ちなみに、弘前公園の名物は「弘前さくらまつり」に限らず、秋には「紅葉まつり」、冬には「雪灯籠まつり」が開催されており、四季を通じてイベントを楽しむことができるのも魅力です。

弘前城の営業時間や料金は

「弘前城」は有料区画と無料区画とに分かれており、天守のある本丸・北の郭は有料です。
入園料金は、個人が大人320円、子供100円、10名以上の団体であれば大人250円、子供80円です。
なお、弘前城本丸・北の郭は、11月24日から3月31日までの期間は入園無料(冬期休館のため館内には入れない)です。

営業時間は、4月1日から11月23日までが9時から17時、「弘前さくらまつり」期間中は7時から21時です。

弘前城にアクセスするには

「弘前城」は市街地の中心にあるため、JR・弘南鉄道「弘前駅」から100円バスに乗って「市役所バス停」で下車し、徒歩4分ほどで到着できます。
マイカーやレンタカーの場合は、東北自動車道「大鰐弘前インターチェンジ」で降りておよそ25分の道のりです。

「弘前城」近くの駐車場としては、公共セクターでは市立観光館・文化センター・津軽藩ねぷた村・弘前市役所などがあり、そのほかにも民間駐車場がいくつかあります。
いずれも有料となりますが、市立観光館・文化センター・弘前市役所は原則として30分ごとに100円で、最初の1時間までは無料で駐車できます。

弘前城
■所在地:青森県弘前市下白銀町1
■電話番号:0172-33-8739
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:JR・弘南鉄道「弘前駅」から弘南バス15分、「市役所バス停」下車、徒歩4分/東北自動車道「大鰐弘前インターチェンジ」から車で25分
■駐車場:市立観光館・文化センター・弘前市役所ほか有料駐車場あり(原則30分100円、最初の時間無料)
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弘前市立観光館:ねぷたや山車がいつでも見られる観光の拠点

弘前市立観光館

「弘前城」の追手門の眼の前に見えるのが「弘前市立観光館」で、追手門広場の一角にあります。
ねぷた・津軽塗展示コーナー、物産直売所、多目的ホールや別館の「山車展示館」などからなる、弘前観光の拠点施設です。

弘前市の夏の風物詩といえば「弘前ねぷたまつり」ですが、この「弘前市立観光館」では、ねぷたに登場する迫力ある山車をいつでも見学することができます。
また、館内には観光コンシェルジュが在籍しており、市内の散策プランなどを教えてもらうことも可能です。
「弘前市立観光館」には広い駐車場もあるので、マイカーの場合はここに駐車して徒歩、またはバスで市内を移動するのもよいでしょう。

弘前市立観光館
■所在地:青森県弘前市下白銀町2-1
■電話番号:0172-37-5501
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:JR・弘南鉄道「弘前駅」から弘南バス15分、「市役所バス停」下車/東北自動車道「大鰐弘前インターチェンジ」から車で25分
■駐車場:有料地下88台、高さ制限2.1メートル、24時間営業、最初の1時間無料、以降30分ごと100円、24時間最大1,000円。
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長勝寺:禅林街の奥にある津軽藩主の菩提寺

長勝寺

「弘前城」から南西方向の鬼門にあたる場所に、数多くの寺院が集まる「禅林街」があります。
2代藩主・津軽信枚が津軽一円にあった曹洞宗三十三ケ寺を移設して築いたもので、周囲に濠や土塁をめぐらした上、枡形には表門の「黒門」がそびえ、「長勝寺構」と呼ばれる城の防衛拠点の一つを形成しています。

「禅林街」の最も奥まった場所には「長勝寺」があり、これは津軽家の先祖に当たる大浦盛信が、父である光信の菩提を弔うために種里(今の西津軽郡鰺ヶ沢町)に創建した寺院です。

本堂や庫裡、三門が国の重要文化財に指定されているほか、歴代藩主や夫人の霊廟などもあり、落ち着いたたたずまいを見せています。

長勝寺の営業時間や料金は

長勝寺の開館時間は9時から16時まで、4月から11月は無休、12月から3月は冬期休館です。
拝観料は300円で、本堂右手にある庫裡から中に入れますが、境内を散策するのみであれば無料です。

長勝寺の交通アクセスと駐車場は

「長勝寺」に公共交通機関で向かうには、「弘前駅」から弘南バスに乗って「茂森町バス停」で下車し、バス停前の「禅林街入口」交差点を西へ10分ほど歩きます。
12月から3月以外の期間であれば、弘南バス「ためのぶ号」が運行していますので、駅から200円で目的地に行くことができます。

マイカーやレンタカーの場合は、東北自動車道「大鰐弘前インターチェンジ」で降りて25分です。
三門前の境内外周道路に沿って南へ120メートルの位置に、禅林街見学者共通の無料駐車場があります。

長勝寺
■所在地:青森県弘前市西茂森1-23-8
■電話番号:0172-32-0813
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:JR・弘南鉄道「弘前駅」から弘南バス15分、「茂森町バス停」下車、徒歩10分/東北自動車道「大鰐弘前インターチェンジ」から車で25分
■駐車場:三門の南120メートルに無料駐車場あり
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蘭庭院栄螺堂:往路・復路が交差しない不思議な三匝堂

栄螺堂

弘前城下の禅寺が集まる「禅林街」の入口、「黒門」の近くに「蘭庭院栄螺堂」があります。

外観は赤い彩色が施された八角形の仏堂ですが、内部には右回りの回廊(スロープ)と階段があり、上りと下りがすれ違わずに参拝できる不思議な構造の建物で、弘前市有形文化財にも指定されています。

天保10年(1839)、豪商の中田嘉兵衛が海難による死者や天明・天保の大飢饉による餓死者を供養するために発願して建立されたもので、内部に観音菩薩その他の仏像を安置します。

全国にもこのようなさざえ堂(三匝堂)の現存例は少なく、東北地方では蘭庭院栄螺堂と会津さざえ堂のみとなっています。

なお、建物外部はいつでも見学できますが、内部拝観をするには管理者である蘭庭院(栄螺堂の西270メートルの道路沿い)に先に申し出て鍵をお借りする必要があります

蘭庭院栄螺堂
■所在地:青森県弘前市西茂森2丁目(蘭庭院:西茂森2-9-1)
■電話番号:0172-32-6556(蘭庭院)
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:JR・弘南鉄道「弘前駅」から弘南バス15分、「茂森町バス停」下車、徒歩5分/東北自動車道「大鰐弘前インターチェンジ」から車で20分
■駐車場:長勝寺南の無料駐車場を利用
このページの編集者
Travelogues
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