中国地方最高峰の大山を擁する歴史と自然の町・大山町の観光スポット

観光

鳥取県西伯郡大山町は、中国地方最高峰の大山(だいせん)を擁し、町域は大山の山頂から北に広がり日本海へと続いています。現在も農業や漁業、畜産といった第一次産業が盛んな土地柄ですが、恵まれた自然環境を活かして古くから人々の営みがあり、特に大山を中心とする山岳信仰の霊場として栄えた歴史を有するところも見逃せません。

大山


「大山」は、海抜1,709メートルの中国地方最高峰で、その美しい山容から「伯耆富士」の美称で知られ、一帯は「大山隠岐国立公園」に指定されています。かつて山岳信仰の霊場だったことから、豊かな自然が手つかずで残されており、特にブナ林は西日本最大の面積を誇ります。

頂上の弥山(みせん)に至るには、南光河原駐車場か博労座駐車場にマイカーを駐車して、夏山登山道または行者登山道のいずれかのルートを進むことになりますが、2つのルートは途中で合流します。標高差がおよそ1千メートルほどあるものの、木道なども整備されていますので、初心者にも比較的なじみやすいといえるでしょう。往復の所要時間は夏山であれば標準的な速さで5、6時間程度ですが、冬山は積雪も多く、荒天時は3000メートル級の山に匹敵する厳しさといわれ、アイゼンなどの装備は必須となりますので留意する必要があります。

博労座駐車場の上、大山寺バス停の脇には「大山ナショナルパークセンター」があり、登山やレジャーの休憩拠点として利用できるほか、大山に関する最新情報を得ることができます。センター向かいの大山寺駐在所やモンベル大山店、南光河原駐車場、阿弥陀堂付近(夏山のみ)には、登山届を投函するポストがあります。

大山
■所在地:鳥取県西伯郡大山町大山
■電話番号:0859-52-2502(大山町観光案内所)
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:山陰自動車道「大山インターチェンジ」から車で15分(パークセンターまで)/JR山陰本線「大山口駅」から日交バス(大山町内路線)乗車30分、「大山寺」バス停下車(パークセンターまで)
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大山寺


「大山寺」は、大山の中腹にある天台宗の寺院で、中国三十三観音霊場第29番札所となっています。

『大山寺縁起』によれば、養老2年(718)、山中で射た鹿が地蔵菩薩の変化と知り、殺生の罪を恥じて出家した出雲国の俊方が、この地に草庵を結んで地蔵菩薩を祀ったのがはじまりと伝えられています。中世には修験道の道場として隆盛し、後醍醐天皇を奉じて名和長年が挙兵した際には、この寺の別当である弟の信濃坊源盛以下、多数の僧兵が供奉したといいます。明治時代の神仏分離により、旧本堂が神道形式の「大神山神社奥宮」として独立したことから、大日堂を新たな本堂とし、規模を縮小して現在に至ります。

境内は国史跡に指定されているほか、現本堂とやや離れた場所にある、天文21年(1552)に建立された杮(こけら)葺き、寄棟造りの阿弥陀堂が国重要文化財となっています。

大山寺
■所在地:鳥取県西伯郡大山町大山9
■電話番号:0859-52-2158
■参拝志納金(霊宝閣入館料含む):大人300円、小人200円
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:山陰自動車道「大山インターチェンジ」から車で15分(パークセンターまで)/JR山陰本線「大山口駅」から日交バス(大山町内路線)乗車30分、「大山寺」バス停下車、徒歩10分
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名和神社


「名和神社」は、南朝の忠臣・名和長年を祀る神社で、旧社格制度でいう別格官幣社、建武中興十五社のひとつです。

鎌倉幕府の打倒を企てた「元弘の変」で隠岐に流された後醍醐天皇は、元弘3年(1333)、隠岐を密かに脱出して名和長年の出迎えを受け、伯耆船上山で再び挙兵しました。こうして鎌倉幕府を滅亡させ、「建武の新政」を開始した後醍醐天皇ですが、足利尊氏の謀反に遭って、建武3年(1336)に「湊川の戦い」で楠木正成を失い、その後京都に乱入した足利勢の前に、名和長年も討死しています。

名和長年の屋敷跡には江戸時代から彼を祀る小祠がありましたが、延宝5年(1677年)に鳥取藩主・池田光仲が社殿を整備の上で遷座し、改めて「氏殿権現」として祀られるようになりました。王政復古が成った明治時代には、建武中興を支えた忠臣として国費をもって社殿が再建されることとなり、明治15年(1882)に完成し、翌年に遷座式が執り行われています。

名和神社
■所在地:鳥取県西伯郡大山町名和556
■電話番号:0859-54-2260
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:山陰自動車道「名和インターチェンジ」から車で5分/JR山陰本線「名和駅」から徒歩5分
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Travelogues
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