岡山の小京都・津山市の名所旧跡を巡る

2023年12月2日観光旅行

岡山県北部の津山盆地に市街地が広がる津山市は、古代には美作(みまさか)国府が置かれ、近世にも津山藩の城下町として栄えました。「岡山の小京都」といわれ、今なお昔の風情を残す津山市には、一度は見てみたいと思えるような名所旧跡も豊富です。

津山城跡:見事な石垣をもつ日本100名城の一つ


津山市の市街地にそびえる「津山城跡」は、本能寺の変で横死した森蘭丸の弟・森忠政が鶴山に築いた平山城で、国史跡として指定されています。

慶長9年(1604)に起工し、元和2年(1616)に完成をみたこの城は、往時には5層の天守をもっていたといいますが、明治6年(1873)の廃城令により、翌年以降、天守を始めとする城内の建物が取り壊されてしまい、現在は残っていません。

それでも地上45メートルの高さの壮大な石垣が「津山城跡」のトレードマークとして残っており、「日本100名城」の一つにもなっています。

「築城400年記念行事」の一環として、平成17年(2005)には本丸御殿の南西にあった巨大な「備中櫓」が復元され、内部を無料で見学することができます。
この「備中櫓」は一般的な櫓とは異なり、御殿の一部として利用されていたもので、内部には畳が敷かれ、上段の間や茶室、厠なども設けられています。

また、「津山城跡」といえば「さくら名所百選」に選ばれる桜の名所でもあり、花見の時期には多くの人が訪れ、開園時間も夜間まで延長されます。
廃城後の「津山城跡」は県の所管でしたが、公園化を条件に地元の津山町(今の津山市)に払い下げられ、町議会議員の福井純一らが私財を投じて桜の植樹を始めたのが、名所化に至る端緒となっています。

城東町並み保存地区

旧出雲街道に面した「城東町並み保存地区」は、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。江戸時代そのままのなまこ壁や袖壁、虫籠窓(むしこまど)などの、風情あふれる伝統町家建築を見ることができます。

津山城跡
■所在地:岡山県津山市山下135
■電話番号:0868-22-4572(鶴山公園)
■営業時間:4~9月は8:40~19:00、10~3月は8:40~17:00、ただし津山さくらまつり期間中は7:30~22:00
■入園料金:大人310円、小人(中学生以下)無料
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:JR姫新線「津山駅」から徒歩15分又は市内循環ごんごバス8分、「観光センター前バス停」下車/中国自動車道「津山インターチェンジ」から車で15分
■駐車場:無料

美作総社宮:美作65郷の総社として崇敬される


「津山城跡」の北西に鎮座する「美作総社宮」は、かつての美作国の総社に当たる神社です。

岡山県津山市にある神社で、美作65郷の神社を合祀したかつての美作国の総社にあたります。美作国一宮の中山神社・二宮の高野神社とともに「美作三大社」の一つとして栄えました。

欽明天皇25年、大己貴命を祀ったのが始まりと伝えられ、和銅6年(713)に美作国が成立すると、国司が現在地の亀甲山に移し、主祭神の大己貴命に加えて美作65郷すべての神社を合祀して「総社宮」としました。

古代の国府が廃れた後も、引き続き中山神社・高野神社とともに「美作三大社」として崇敬されました。

現在の本殿は、永禄5年(1562)に毛利元就が造営し、その後修理が行われたものですが、「中山造」と呼ばれるこの地方に独特の様式で、国の重要文化財となっています。

美作総社宮
■所在地:岡山県津山市総社427
■電話番号:0868-22-4390
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:JR姫新線「津山駅」から中鉄北部バス(津山~西田辺・上横野線)バス12分、「総社バス停」下車、徒歩5分/中国自動車道「院庄インターチェンジ」から車で15分
■駐車場:無料

中山神社:美作国一宮で中山造の社殿をもつ


中山神社」は、慶雲4年(707)の創建と伝えられる美作国一宮の古社で、鏡作神を祀っています。

平安時代の『延喜式神名帳』にも載っている式内社であり、『今昔物語集』にも「今昔、美作国ニ中参、高野ト申神在マス」と書かれています。

戦国時代に兵火に遭ったものの、永禄2年(1559)に尼子晴久が再建したと伝えられ、「中山造」と呼ばれる独特の構造の本殿は国重要文化財に指定されています。

中山神社
■所在地:岡山県津山市一宮695
■電話番号:0868-27-0051
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:JR姫新線「津山駅」から中鉄北部バス(津山~西田辺・上横野線)バス20分、「中山神社前バス停」下車/中国自動車道「院庄インターチェンジ」から車で15分
■駐車場:無料
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