九頭竜川沿いに天空の城がそびえる越前の小京都・大野市の観光スポット
福井県の東部、岐阜県や石川県にも境界を接する大野市は、越前大野城の城下町として栄えたまちで、今なお残る当時のたたずまいから「越前の小京都」と呼ばれます。九頭竜ダムによる巨大な人造湖「九頭竜湖」も憩いの場として人気です。
越前大野城
「越前大野城」は、越前一向一揆を平定した織田信長から越前国大野郡を与えられた金森長近が、4年の歳月をかけて天正8年(1580)に亀山に築き上げた城郭です。金森氏が飛騨国高山に転封されると、織田信雄はじめ幾度かの城主の交替を経て、天和2年(1682)からは土井氏の居城となり、明治維新に至っています。
往時は2重3階の大天守、2重2階の小天守と天狗櫓を置く複合連結式の天守をもち、山麓には二の丸、三の丸をめぐらしたといいますが、天守は安永4年(1775)の焼失後は再建されず、明治時代の廃城令により破却されました。現在の天守は昭和43年(1968)に再建された、いわゆる「復興天守」に当たり、内部には歴代城主の遺品が展示されています。
この城は兵庫県朝来市の「竹田城」、岡山県高梁市の「備中松山城」に同じく、気象条件がよいと城が雲海に浮かぶ姿を見ることができることから、「日本三大天空の城」のひとつとして近年人気が高まっています。
城下町には今でも旧内山家や旧田村家といった武家屋敷や、土井家菩提寺の善導寺はじめ16か寺が集まる寺町の風景が残り、人力車で町内をめぐることができます。
■所在地:福井県大野市城町3-109
■電話番号:0779-66-0234
■営業時間:4月~9月は午前9時~午後5時、10月~11月は午前9時~午後4時、冬場は休業
■入館料:大人300円、小人(中学生以下)無料
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:JR越美北線「越前大野駅」からまちなか循環バス乗車5分、「結ステーション」バス停下車、徒歩10分/中部縦貫自動車道「大野インターチェンジ」から車で10分
朝倉義景墓所
「朝倉義景墓所」は、越前一国を領する守護大名として5代・100年にわたる栄華を築いた朝倉家最後の当主・朝倉義景の墓所で、江戸時代の五輪塔が建っています。
天正元年(1573)、刀根坂の戦いで織田信長に大敗し、居城の一乗谷を捨てて大野の六坊賢松寺に逃れた朝倉義景は、一族の朝倉景鏡(かげあきら)の裏切りに遭い、同寺で自刃しました。残された嫡男・愛王丸ら親族も捕らえられて殺害され、ここに朝倉家は滅亡しました。賢松寺はすでに廃寺となっていて明確な場所はわかりませんが、「朝倉義景墓所」から北東に200メートルほど離れた今の曹源寺のあたりとみられています。
「朝倉義景墓所」は、寛政12年(1800)に旧朝倉家の家臣の子孫が曹源寺境内に建立したもので、文政5年(1822)に現在地に移転しました。敷地中央の義景墓である五輪塔の後ろには、義景の後を追って自刃した近臣の鳥居景近や高橋景倍らの墓もあります。
■所在地:福井県大野市泉町
■電話番号:0779-66-1111(大野市観光交流課)
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:JR越美北線「越前大野駅」からまちなか循環バス乗車5分、「大野市役所・結とぴあ」バス停下車、徒歩5分/中部縦貫自動車道「大野インターチェンジ」から車で10分
九頭竜湖
「九頭竜湖」は、九頭竜ダムによって九頭竜川がせき止められた人造湖で、市の東部、国道158号沿いに広がっています。
「九頭竜ダム」は岩を積み上げる形式のロックフィルダムで、高さは128メートルあり、発電や洪水調節を目的として、昭和43年(1968)に建設されたものです。ダム上部には管理支所が置かれ、内部の展示室や周辺を自由に見学することが可能です。
このダムにより誕生した「九頭竜湖」は、面積890ヘクタールの広さをもち、対岸に渡れる「夢の架け橋」(箱ヶ瀬橋)も架かっています。一帯は桜や紅葉の名所として知られ、季節になると大勢の観光客が訪れます。付近には恐竜のモニュメントがシンボルの「道の駅九頭竜」もあり、特産品の昇竜舞茸を使った舞茸弁当が楽しめます。
■所在地:福井県大野市長野ほか
■電話番号:0779-66-1111(大野市観光交流課)
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:中部縦貫自動車道「九頭竜インターチェンジ」から車で10分