新潟市街の寺町を歩く・西堀通界隈
日本海沿いの港町として発展した新潟は、江戸時代の明暦年間、信濃川の流路の変化にともない、町ごと移転した経緯を持っています。新市街にはいくつもの堀が廻らされましたが、なかでも町外れの寺町堀は大きなもので、明治時代に埋め立てられて今の西堀通りになりました。西堀通り界隈には20数か寺が建ち並び、かつての新潟の町並みを偲ぶことができます。
真浄寺
新潟市中央区西堀通二番町にある浄土真宗大谷派の寺院です。建暦2年(1212)、常陸国の武士・土屋重行が出家して明慶を名乗り、信濃国赤沼村で開基したといいます。その後は戦乱のなかで各地を転々とし、慶長2年(1597)に新潟に移転してきました。本堂は天明6年(1786)に建立されたもので、西堀通り界隈では最古級の事例にあたります。
■所在地:新潟県新潟市中央区西堀通2番町774-1
■電話番号:025-229-1409
■交通アクセス:北陸自動車道「新潟西インターチェンジ」から車で15分/JR越後線「白山駅」から徒歩15分
■駐車場:なし
超願寺
西堀通二番町にある真宗大谷派の寺院です。はじめ加賀国に真言宗の寺院として創建され、吉崎御坊にいた蓮如上人の直弟子となった法印栄智により浄土真宗に改宗されました。その後は佐渡ヶ島を経て元和5年(1619)に新潟に移転したといいます。明暦年間の火災で蓮如上人から賜った聖徳太子像は燃えてしまいましたが、残った首の部分だけを胎内に入れた「お胎籠りの太子像」が新たにつくられ、寺宝として大切にされています。
■所在地:新潟県新潟市中央区西堀通2番町783
■電話番号:025-222-2820
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:北陸自動車道「新潟西インターチェンジ」から車で15分/JR越後線「白山駅」から徒歩15分
■駐車場:無料
瑞光寺
西堀通三番町にある曹洞宗の寺院です。永禄3年(1560)に一活和尚が開基し、出羽国大山町の善宝寺の末寺となりました。寺宝の不転観世音菩薩は平安前期の作とみられており、新潟県指定有形文化財です。ひらがな書きの短歌を多く詠んだ歌人の会津八一はこの寺の檀家で、境内には会津八一の墓と歌碑があります。また、参道に立つひきうけ地蔵は、すべての願いを引き受けてくれる地蔵尊といわれます。
■所在地:新潟県新潟市中央区西堀通3番町797
■電話番号:025-229-4336
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:北陸自動車道「新潟西インターチェンジ」から車で15分/JR越後線「白山駅」から徒歩15分
■駐車場:なし
善導寺
西堀通四番町にある浄土宗の寺院です。京都・知恩院の末寺として、天文3年(1534)に開山岌讃が開基したといいます。当初は新津の善道にありましたが、後に新潟に移転しました。元禄年間にはおくのほそ道の途中の松尾芭蕉がこの寺に立ち寄り、古い蓑を新しいものに替えたことから、境内に蓑塚がつくられました。蓑塚は大正時代に宗現寺に移転しましたが、旧地にも新しい蓑塚の碑が建てられています。
■所在地:新潟県新潟市中央区西堀通4番町823-1
■電話番号:025-222-5669
■交通アクセス:北陸自動車道「新潟西インターチェンジ」から車で15分/JR越後線「白山駅」から新潟交通バス5分、「東中通」下車、徒歩5分
■駐車場:なし
真宗寺
西堀通九番町にある浄土真宗大谷派の寺院です。鎌倉幕府の執権・北条高時の家臣だった長崎為基が、主家の滅亡後に出家して円海を名乗り、正平8年(1353)に加賀国能美に開基した称名寺が前身とされています。天正年間、戦乱を避けて秋田に移転後、慶長元年(1596)に新潟に移転しました。境内には明治時代に初代の万代橋をつくった内山信太郎の墓があります。
■所在地:新潟県新潟市中央区西堀通9番町1600
■電話番号:025-228-1728
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:北陸自動車道「新潟西インターチェンジ」から車で15分/JR越後線「白山駅」から新潟交通バス10分、「古町」下車、徒歩10分
■駐車場:無料
宝亀院
西堀通九番町にある真言宗の寺院です。開基の年代は不明ですが、寛永15年(1638)、中興の僧・賢尊が越前国から両部曼荼羅を持ち帰り、藩公の牧野氏に謁見後、白山神社の別当職に補任しています。境内には新潟明和騒動に関連して涌井藤四郎とともに義民と仰がれる岩船屋佐次兵衛の墓があります。