古代の離宮や忍者の里などさまざまな魅力をもつ甲賀市の観光スポット

2024年9月30日観光旅行

滋賀県の東南部、京都府や三重県とも境界を接する甲賀市は、古代には離宮が置かれ、また中世には忍者の里として栄えるるなど、さまざまな側面をもった都市といえます。このため、市内には多くの観光スポットが点在していますが、新名神高速道路や国道1号が縦横に走り、これらのスポットを移動するのも容易です。

紫香楽宮


「紫香楽宮」は、奈良時代に近江国甲賀郡に置かれた離宮です。天平12年(740)の「藤原広嗣の乱」を経て、聖武天皇は平城京から恭仁京(今の京都府木津川市)に遷都しましたが、その離宮として天平14年(742)に造営されたものが「紫香楽宮」に当たります。聖武天皇はここで盧舎那仏の建立を発願しましたが、平城京に還都したため沙汰止みとなり、奈良東大寺の大仏建立へと引き継がれます。

甲賀市信楽町の宮町地区や内裏野地区では、発掘調査により朝堂や甲賀寺の遺構が確認されたほか、大量の木簡も出土しています。なかには紀貫之が『古今集』で「歌の父母」と呼んだ「難波津の歌」と「安積山の歌」を書いた木簡もあり、発表時には大きな話題となりました。

紫香楽宮
■所在地:滋賀県甲賀市信楽町宮町641-1(宮町展示室)
■電話番号:0748-83-1919
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:新名神高速道路「信楽インターチェンジ」から車で5分/信楽高原鐡道「紫香楽宮跡駅」から徒歩45分(宮町地区)(内裏野地区・甲賀寺跡であれば徒歩15分)

甲賀流忍術屋敷


「甲賀流忍術屋敷」は、江戸時代の元禄年間に建築された、甲賀五十三家筆頭格の望月氏本家の旧邸です。内部には「どんでん返し」や「隠し部屋」「縄梯子」「落とし穴」などの防衛設備がいろいろと残されており、本物の忍者屋敷のからくりを間近に見ることができます。

資料室では手裏剣などの忍具や忍術書を展示するほか、薬草茶の試飲や手裏剣投げ体験などの体験型メニューもあります。案内映像は近年のインバウンド需要に対応し、英語字幕や中国語字幕も用意されています。

甲賀流忍術屋敷
■所在地:滋賀県甲賀市甲南町竜法師2331
■電話番号:0748-86-2179
■営業時間:9時~17時(入館は16時30分まで)
■入館料:大人(中学生以上)650円、小人(3歳以上)450円
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:新名神高速道路「甲南インターチェンジ」から車で5分/JR草津線「甲南駅」から徒歩20分

水口神社


「水口神社」は、甲賀市水口町に鎮座する神社で、平安時代の『延喜式神名帳』に近江国甲賀郡の小社のひとつとして出ています。祭神は大水口宿禰命(おおみなくちのすくねのみこと)であり、古代、この地域を拠点としていた物部氏が祖先を祀ったものと考えられています。

毎年4月には滋賀県の無形民俗文化財である「水口曳山祭」が斎行され、勇壮な「水口囃子」にあわせて曳山が町内を巡行し、多くの観光客でにぎわいます。

水口神社
■所在地:滋賀県甲賀市水口町宮の前3-14
■電話番号:0748-62-0231
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:新名神高速道路「甲南インターチェンジ」から車で10分/近江鉄道「水口城南駅」から徒歩3分

矢川神社


「矢川神社」は、甲賀市甲南町の杣川沿いに鎮座する神社で、平安時代の『延喜式』にも載せられた式内社です。

中世には甲賀武士の崇敬を集め、境内は彼らの自治のあり方を示す「甲賀郡中惣遺跡群」として国史跡に指定されています。江戸時代には水口藩の崇敬社とされ、天保13年(1842)に幕府主導の強引な検地に反対して起きた「近江天保一揆」では、社頭に数万人もの農民が集まりました。

この神社は雨乞いの霊験があるとされ、室町時代の楼門はその報賽として寄進されたものといいます。ほかにも横井金谷(きんこく)の山水画などの貴重な文化財が残ります。

矢川神社
■所在地:滋賀県甲賀市甲南町森尻70
■電話番号:0748-86-3141
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:新名神高速道路「甲南インターチェンジ」から車で10分/JR草津線「甲南駅」から徒歩15分
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Travelogues
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