遠州灘に面しスポーツのまちとして知られる磐田市の観光スポット

2025年1月10日観光旅行

静岡県西部に位置し、遠州灘に面した磐田市は、市名を冠したジュビロ磐田に代表されるように、現在はスポーツのまちとしてよく知られていますが、磐田市の魅力はそれだけではありません。奈良時代に遠江国府が置かれ、江戸時代には東海道五十三次の見付宿が栄えたことから、市内にはさまざまな名所旧跡が残されており、観光で訪れるのにも最適です。

旧見付学校

「旧見付学校」は、明治新政府が「学制」を発布した翌年に当たる明治6年(1873)に開校しました。開校時には既存の寺院を仮校舎としていましたが、しだいに近代的な学校建築を求める機運が高まり、明治7年(1874)に工事が着工し、翌8年(1875)に落成、開校式が挙行されました。

当初は2階建ての教室部分に2層の楼を載せた4階建てでしたが、後に2階天井裏を改装して3階としたため、あわせて5階建ての現在の姿となりました。現存する日本最古の木造擬洋風小学校校舎として貴重なものであり、隣接する磐田文庫とあわせ、国の史跡に指定されています。

旧見付学校
■所在地:静岡県磐田市見付2452
■電話番号:0538-32-4511
■公式サイト:
■交通アクセス:東名高速道路「磐田インターチェンジ」から車で10分/JR磐田駅(北口)から遠鉄バス(磐田市立病院又は遠州森行き)乗車10分、「旧見付学校」バス停下車

淡海國玉神社

「淡海國玉神社」は、平安時代に編纂された『延喜式神名帳』にも掲載されている由緒ある神社で、「旧見付学校」に隣接しています。現在の磐田市には、古代「遠江国府」が置かれていたことから、遠江国内の各地に鎮座する神社を合祀した「総社」として崇められていました。この神社の主祭神は大国主命であり、八上姫との婚姻譚から縁結びの神様として知られます。

「淡海國玉神社」の本殿は江戸時代の明暦3年(1656)ごろに造営されたもので、静岡県の指定文化財となっています。また、下帯姿の男たちが社殿を乱舞し、すべての灯火を消した暗闇の中を神輿が渡御する、毎年旧暦8月に行われる珍しいお祭り「見付天神裸祭」は、国の重要無形民俗文化財に指定されています。

淡海國玉神社
■所在地:静岡県磐田市見付2452-2
■電話番号:0538-32-5298
■公式サイト:
■交通アクセス:東名高速道路「磐田インターチェンジ」から車で10分/JR磐田駅(北口)から遠鉄バス(磐田市立病院又は遠州森行き)乗車10分、「旧見付学校」バス停下車

遠江国分寺跡

「遠江国分寺跡」は、天平13年(741)の聖武天皇による詔を受けて建立された遠江国分寺の遺跡です。昭和26年(1951)に発掘調査が実施され、七重塔をはじめとして、金堂・講堂・回廊などの主要な建物の規模や伽藍配置が明らかになりました。翌年の昭和27年(1952)には国の特別史跡に指定されています。

現在は「遠江国分寺跡整備基本計画」にもとづき、遺構全体を公園として整備し、散策ルートを設けてさらに見やすく、親しみやすくするための工事が実施されています。

遠江国分寺跡
■所在地:静岡県磐田市中泉3365
■電話番号:0538-32-9699(埋蔵文化財センター)
■公式サイト:
■交通アクセス:東名高速道路「磐田インターチェンジ」から車で10分/JR磐田駅(北口)から遠鉄バス(磐田市立病院行き)乗車3分、「南高校前」バス停下車、徒歩1分

見付天神

見付天神」は、主祭神として矢奈比賣大神を祀る神社で、平安時代に編纂された『延喜式神名帳』に掲載されている式内社のひとつです。平安時代、九州の太宰府天満宮から「天神さま」として崇められる菅原道真公を勧請したことから、「見付天神」の呼び名があります。

「見付天神」の鳥居の脇にある犬の銅像は、霊犬とされる「悉平太郎(しっぺいたろう)」です。伝説によれば、かつて見付天神の祭りの日には若い娘を生け贄として捧げる風習がありました。そこで、旅の僧侶の入れ知恵で、信濃国(長野県)の光前寺で飼われている「悉平太郎」という犬を借り受けてきたところ、犬が生け贄を取っていた化け物を退治してくれたので、以後このような風習はなくなったということです。

見付天神
■所在地:静岡県磐田市見付1114-2
■電話番号:0538-32-5298
■公式サイト:
■交通アクセス:東名高速道路「磐田インターチェンジ」から車で5分/JR磐田駅(北口)から遠鉄バス(磐田営業所行き)乗車10分、「見付」バス停下車、徒歩5分

府八幡宮

「府八幡宮」は、「遠江国分寺跡」の近くにある神社で、天平年間に遠江国司の桜井王が八幡神を祀ったのがはじまりと伝えられています。

わる古社です。楼門は江戸時代、寛永12年(1635年)に造営された建物で静岡県指定有形文化財となっています。以来、歴代の国司に尊崇され、中世に入っても足利氏や今川氏、徳川氏などの武家から重きを置かれていました。

寛永12年(1635)には衣冠束帯姿の随身像を左右に配したこけら葺きの楼門が造営され、現在は静岡県指定有形文化財となっています。

府八幡宮
■所在地:静岡県磐田市中泉112-1
■電話番号:0538-32-4762
■公式サイト:
■交通アクセス:東名高速道路「磐田インターチェンジ」から車で10分/JR磐田駅(北口)から遠鉄バス(磐田市立病院行き)乗車3分、「南高校前」バス停下車、徒歩1分

慈恩寺

「慈恩寺」は、臨済宗妙心寺派の寺院で、山号を大梅山といいます。本尊は聖観世音菩薩で、遠江四十九薬師霊場の札所のひとつです。室町時代の応永年間に開創されたと伝えられ、戦国時代の天文年間、江戸時代の寛永年間の二度にわたり中興されました。

室町時代の応永26年(1419)の銘をもつ「雲板」があり、磐田市指定有形文化財となっています。これは修行僧らに食事の時間を知らせるための打鳴具で、表面は平らで雲のようなかたちをした銅製のものです。

慈恩寺
■所在地:静岡県磐田市見付2431-1
■電話番号:0538-32-3098
■公式サイト:
■交通アクセス:東名高速道路「磐田インターチェンジ」から車で10分/JR磐田駅(北口)から遠鉄バス(磐田市立病院又は遠州森行き)乗車10分、「旧見付学校」バス停下車、徒歩3分
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Travelogues
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