咸宜園のある天領のまち・日田市

2024年3月9日観光旅行

日田市は九州地方のほぼ中央、福岡県と熊本県に隣接した大分県西部の日田盆地に営まれた歴史豊かなまちです。江戸時代には幕府直轄の天領として栄え、広瀬淡窓が開いた私塾「咸宜園」は全国的にもその名を知られています。

私塾「咸宜園」と豆田町の町並み

江戸時代、幕府の直轄地(天領)として西国郡代の陣屋が置かれた日田市は、九州の要衝として繁栄を極めていました。
豆田町には当時の面影を残す町並みが残り、江戸時代に掛屋(幕府御用達の金融業者)を務めていた「草野本家」の建物は国指定重要文化財に指定されています。
「草野本家」をはじめ、日田市内の旧家や資料館などでは、毎年2月から3月にかけて、古いひな人形やひな道具を一斉に展示・公開する「天領日田おひなまつり」が開かれ、多くの観光客を集めています。

また、江戸時代にの豆田に生まれた儒学者・広瀬淡窓が開いた「咸宜園」(かんぎえん)は、近世日本最大規模の私塾といわれ、当時のもようを伝える居宅や書斎を見学することができます。隣接の「咸宜園教育研究センター」は各種の研究活動の拠点であるとともに、講演会や公開講座などのイベントを随時行っています。

ユネスコ無形文化遺産「日田祇園の曳山行事」

豆田町の豆田八坂神社のほか、隈地区の隈八坂神社、竹田地区の若宮神社(祇園神社を合祀)では、毎年7月(かつては旧暦6月)に山鉾が町内を巡行する「祇園祭り」が行われています。

歌舞伎の名場面を写した人形を載せた山鉾は、原則として毎年作り変えられ、また三味線と笛、太鼓で彩られる祇園囃子も特徴的で、ユネスコ無形文化遺産「日田祇園の曳山行事」に登録されています。

咸宜園
■所在地:大分県日田市淡窓2丁目4-2-13
■電話番号:0973-22-0268
■営業時間:9:00-17:00(入館は16:30まで)
■入場料:無料
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:JR久大本線「日田駅」から徒歩10分/大分自動車道「日田インターチェンジ」から車で5分
■駐車場:「麻生小児科」東隣に無料駐車場、中津街道沿い「日田市営三本松駐車場」は1時間110円

三隈川と亀山公園

阿蘇山を源とする筑後川は九州地方でも最大規模の河川であり、途中でいくつもの流れに分かれ、その名を変えています。このうち九州北部を流れる三隈川は、日田の市街地に水の恵みをもたらし、醤油や清酒などの醸造業を盛んにしました。
工場見学ができる「いいちこ日田蒸留所」なども、筑後川水系の支流である花月川を見下ろす高台に位置しています。

三隈川沿いにそびえる日隈山は、安土桃山時代に日隈(ひのくま)城が築かれていた小高い丘であり、現在は「亀山(きざん)公園」として整備され、「水郷日田」ともいわれる清流の美しい景観や、春の桜を楽しむことができます。
小さな子どもたちにも人気のせせらぎ水路やすべり台、ブランコなどがあるほか、遊歩道をのんびりと散策するのにも適しています。

日隈山頂には「日隈神社」があり、後醍醐天皇、楠木正成、春日大明神の3柱を祀っています。拝殿に掲げられた扁額は西郷隆盛が揮毫したものです。
また、日隈山へと登る遊歩道の途中には、江戸時代に年貢の軽減を幕府に直訴して処刑された日田郡馬原村庄屋の穴井六郎右衛門を顕彰する巨大な「義民穴井六郎右衛門之碑」が建てられています。

水郷日田の日田温泉街

亀山公園の周辺には「日田温泉」の温泉街が広がり、立ち寄り湯としてふらっと気軽に湯治をすることも、また宿泊でゆったりとした時間を満喫することもできることから、観光客には大いに人気です。夏場は三隈川に屋形船が浮かび、鵜飼なども行われています。
泉質は単純温泉に分類されており、ストレスの多い現代社会にはもってこいといえます。

亀山公園
■所在地:大分県日田市中ノ島町559
■電話番号:0973-22-8410
■営業時間:00:00-23:59
■入場料:無料
■公式サイト:[こちらをクリック]
■交通アクセス:JR久大本線「日田駅」から徒歩2分、「日田バスターミナル」から日田市内循環バス(ひたはしり号)乗車10分、「隈温泉旅館街」バス停下車、徒歩5分/大分自動車道「日田インターチェンジ」から車で5分
■駐車場:無料
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Travelogues
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