自賠責保険とは:補償金額や請求方法など

車とネコ

2022年12月20日運転免許

自賠責保険は、交通事故による被害者を救済するため、原動機付自転車(原付)を含むすべての自動車に加入が義務付けられている保険です。

自賠責保険とは

自賠責保険とは、交通事故による被害者を救済するため、加害者が負うべき損害賠償額を補てんすることにより、最低限の対人賠償を確保することが目的としており、原動機付自転車(原付)を含むすべての自動車に加入が義務付けられています。

なお、無保険車による事故、ひき逃げ事故の被害者に対しては、自賠責保険とは別に、政府保障事業が制度化されており、これによって被害者の救済が図られることになっています。

広告

自賠責保険の限度額と保障内容

自賠責保険では、傷害・後遺障害・死亡に至るまでの傷害・死亡について補償が受けられ、それぞれ保険金の支払限度額があります。

傷害による損害

傷害による損害は、治療関係費、文書料、休業損害および慰謝料が支払われます。

限度額
被害者1名につき120万円
補償内容
治療費、看護料、諸雑費、通院交通費、義肢等の費用、診断書等の費用、文書料(交通事故証明書、印鑑証明書ほか)、休業損害、慰謝料

後遺障害による損害

後遺障害による損害は、障害の程度に応じて、逸失利益および慰謝料などが支払われます。

限度額
(1) 神経系統の機能や精神・胸腹部臓器への著しい障害で介護を要する障害被害者1名につき
常時介護を要する場合(第1級)4,000万円
随時介護を要する場合(第2級)3,000万円
(2) 上記以外の後遺障害
被害者1名につき(第1級)3,000万円~(第14級)75 万円
補償内容
逸失利益、慰謝料等

死亡による損害

死亡による損害は、葬儀費、逸失利益、被害者および遺族の慰謝料が支払われます。

限度額
被害者1名につき3,000万円
補償内容
葬儀費、逸失利益、慰謝料
※なお、死亡に至るまでの傷害の損害は、通常の傷害による損害についての規定が準用されます。
広告

保険会社による情報提供

自賠責保険による保険金の支払について、損害保険会社は書面により請求者に交付することを義務付けられています。

保険金の支払に疑問、不服がある場合は、保険金が適切に支払われているかどうかを確認するため、自動車損害賠償保障法に基づく範囲内で、保険会社から必要な情報を入手することができます。

提供される情報としては、次のようなものがあります。

請求したときは、支払基準や保険金の支払手続きの概要、紛争処理制度 の概要
支払われるときは、支払金額、後遺障害等級とその判断理由、重大な過失があると判断され減額される場合における減額割合とその判断理由、異議申立の手続き
自賠責保険金が支払われない場合は、その理由
広告

保険金の減額または支払対象外とな場合

自賠責保険で支払われる金額については、被害者に重大な過失があった場合や、受傷と死亡または後遺障害との間の因果関係の有無の判断が困難な場合には減額されることがあります。

また、自賠責保険の制度では、被害者の100パーセントの過失により発生した事故(無責事故)については、相手車両の自賠責保険金の支払対象とはなりませんので、保険金も支払われません。

広告

自賠責保険の請求方法

自賠責保険の保険金を請求するには、被害者が直接損害保険会社とのやりとりをする「被害者請求」と、加害者がやりとりする「加害者請求」の2つがあります。

加害者請求
加害者がまず被害者に損害賠償金を支払い、そのあとで保険金を損害保険会社に請求する方法です。
被害者請求
加害者側から賠償が受けられない場合には、加害者が加入している損害保険会社に損害賠償額を直接請求することができます。
なお、損害賠償額の確定前であっても、被害者は医療機関への治療費を支払った都度、限度額の範囲内で、損害保険会社に対して保険金の請求をすることができます。

自賠責保険の請求期間

自賠責保険は3年で時効

となり、保険金を請求する権利が消滅しますので、、原則としてこの期間内に保険金を請求しなければなりませんが、何らかの理由で請求が遅れてしまう場合には、損害保険会社に連絡して時効中断の制度を利用します。

このページの編集者
Travelogues
観光、交通、文化、生活その他のテーマについて、インターネットを通じた情報の配信を行っています。